今回読ませていただいたのが伊坂幸太郎さんの作品「フーガとユーガ」になります。
まぁ、ぶっちゃけミステリー小説の部類かなと思っていましたが、読んでみたら全然違っていました。
いい意味で期待を裏切ってくれた作品でもあります。
長い冒頭もあまり好きではないのでさっそく「フーガとユーガ」のあらすじと感想を紹介していきたいと思います。
- あらすじの紹介
- 物語の構成
- 作品の感想
あらすじ
(引用white and black owl on brown wooden fence photo – Free Lohberghütte Image on Unsplash)
✔ 双子の能力
誕生日の日にだけ発動する入れ替わり能力。
制限はあり、勝手に発動する能力だが兄弟はこの能力を様々な場面で使用し自分たちの周りの人たちを助けていく。
物語の最初は喫茶店から始まっています。
ここで登場するのが2人の人物”常盤”と”高杉”と呼ばれる男。
✔ 常盤
今作に主人公たちの苗字。
作中の”高杉”と呼ばれる人物と話しているのは双子の兄弟の”有我”の方。
もう一人が双子の弟”風我”。
✔ 高杉
物語の最初の方に登場するテレビの製作ディレクター。
匿名の映像が彼に送られてきたことにより常盤に話を聞きにきた人物。
年齢的には主人公たちと同じぐらい。
高杉が常盤を訪ねたのには理由があった。
匿名で送られてきた映像に兄弟が一瞬にして入れ替わる映像が写し出されていたのだ。
この映像が本物なのかどうかを調べるために常盤有我(ときわゆうが)に接触してきたのだ。
ここから物語が始まっていく。この映像の事を話すのには有我の過去から話す必要があった。
物語の構成
物語はおおまかに分類して4つに構成されています。
最初に喫茶店で会うのが現代。過去の回想として小さい頃から今現在の話まで回想みたいに進んでいきます。
幼少期~中学生まで
(引用 Child Boy Dragon – Free photo on Pixabay)
物語の最初の話。
双子に生まれた彼らだったが父親は最低のクズで子供に暴力を行うような人間だった。
母親は自分の安全第一で何もしてくれない家庭で育っていた。
そんな彼らでも友達はいたし、このころの苦い経験が彼らの生き方を決めたのかもしれない。
- 友達・ワタボコリ
- 忘れられない赤く染まった人形
- 悲惨な事件
この部分に注目してもらいたいと思います。
のちのちの伏線にもなっていますし、彼らがこの後も物語でなぜこういった行動をするようになったのかが分かります。
冒頭の部分だけを読まない人はいないかもしれませんが、読まなければ物語が分からなくなるほど重要な部分でもあります。
高校時代
(引用 School Books Apples – Free photo on Pixabay)
彼らも高校に進学しました。
その時にちょっとしたことから弟・風我に恋人ができた。
名前は”小玉”。
双子で唯一違う所でもあった。
彼女もまた家庭に問題を抱えており”小玉”を助けるために双子は奔走するのであった。
高校時代のメインは弟・風我の恋人”小玉”の義父が”小玉”を利用してあることをしていたことに端を発しています。
別にエロい方向性ではないのですが、こういった趣味の方を理解することは私には一生無理な話だと思っています。
- 小玉の家族
- 風雅と小玉の出会い方
- 悪趣味な催し物
”小玉”との出会い方はさておき、他の2点は物語の重要な部分でもあります。
ある意味クライマックスの伏線にもなっている話です。
大学時代
(引用 A Book Read College Student – Free photo on Pixabay)
ここでは兄・有我がメインとして描かれています。
このころ有我は大学に進学して勉学に勤しんでいました。
弟の風我は”小玉”と同棲をしておりつつましくながらも幸せに暮らしていたようです。
有我はアルバイトであるシングルマザーと出会います。
名前はハルコさん。子供の名前はハルタくん。亡くなった旦那さんの名前はハルオさん。
ちょっとした恋心を抱いて有我でしたが、最悪の過去はいつでもどこでも訪れてしまうもの。
- 最低最悪な父親
- 不穏な事件
- 終わった恋
ネタバレ的にいわせてもらうなら、疎遠だった最低最悪の父親が絡んできます。
それと同時期に話題になっていた事件が書かれていますが、そのことが有我を不安にさせた一因でもあった。
恋の結末から言えばかないませんでした。
このことがなければと思ったりもしましたが・・・。
現代
ここから物語の現代に戻ります。
作中ではちょくちょく有我と高杉の会話を挟んでいますが、本格的にクライマックスまで向かっていきます。
- 過去から現代までの事件
- 小さな繋がり
- 双子の決断
- 残ったもの
クライマックスまでいきますのであまり説明はしません。
今までの物語がすべて伏線となっています。
ちなみに双子の父親は大学生時代で終わりです。
まぁ二度と出てきてほしくはないですが。
読み終わった感想
(引用 Touch Special Caring – Free photo on Pixabay)
後味は悲しくもあり少しだけ胸に穴が開いたような気分になる作品でした。
ミステリー作品でもなければサスペンス作品でもなかったこの作品ですが、二人のヒーローの話を読んでよかったと思っています。
悲惨な家庭環境に育った双子だったがせめて自分たちの周りの人だけでも助けようと行動する二人は自分には少しまぶしいカンジがします。
自分にはまだ大切だと思う人はいません。
家庭環境もこの小説家庭と似たり寄ったりの環境で育ってきました。
一時期はふてくされたりした時期もありました。
いまだに家族とは疎遠になっていますし、人が怖いです。
それでもこういった作品を読むと少しでも前に歩こうかなと勇気をもらいます。
月並みの言葉ではあるかもしれませんが、大切なモノは守っていきたいなと思った作品。
まぁ、有我みたいな度胸はないですけど。
まとめ
今回は「フーガとユーガ」を読ませていただきました。
一度読むと時間を忘れてしまうのは少し悪い癖になってきています。
かなりハマってしまった作品の一つに入りそうな感じです。
作者の伊坂幸太郎の他の作品も少し読んでみたいと思いましたがいつになる事やら・・・。
並行して読んでいたのがひろゆきさんの「1%の努力」。
かなりためになっている本になります。
少し話をさせてもらうともう少しだけ人生に余裕を持とうと考えたぐらいです。
まだ実行はしていませんが(笑)。
今の残業続きの生活も来年には抜け出せるのでそうしたら余裕をもって生きていきたいと思います。